長時間ゲームをプレイしていると腰がつらくなる原因は、座り方だけではありません。実は、ゲーミングチェアの調整の順番がズレていることで、どれだけ触っても体に合わない状態になっていることが多いのです。
ゲーミングチェアは調整項目が豊富な分、適当に触ると逆に座り心地が悪化してしまいます。座面の高さを変えれば奥行きの感覚が変わり、肘掛けの位置を変えれば背もたれの角度も変わる。すべてが連動しているため、正しい順番で調整しないと、いつまでも「なんとなく合わない」状態が続きます。
本記事では、「上から順にやれば自然と整う」調整手順と具体的な目安を解説します。医療的な断定は避けつつ、腰への負担を軽減しやすくなる実践的な方法をお伝えします。
腰の負担を減らす方法
腰への負担を減らすために最も重要なのは、次の3つの要素を同時に満たすことです。
足が浮くと骨盤が倒れやすく、腰が丸まりやすい
足裏が床にしっかりつかない状態では、体重を支えるポイントが不安定になります。その結果、骨盤が後ろに倒れやすくなり、腰が丸まった状態で固まってしまいます。足裏接地は、すべての調整の土台になる最優先事項です。
肘を置けると肩が下がり、背中〜腰の緊張が抜けやすい
肘をどこにも置けない状態では、腕の重さを常に肩で支えることになります。肩が緊張すると背中が固まり、その影響が腰にまで波及します。肘をアームレストやデスクに預けて肩の力を抜くことで、上半身全体の緊張が和らぎ、腰への負担も軽減されやすくなります。
深く座って背もたれに”預ける”のが基本(前滑りはNG)
多くの人が無意識にやってしまう「前滑り」は、骨盤が後ろに倒れて背もたれから体が離れた状態です。これでは腰が常に緊張し続けます。お尻を座面の奥まで入れて、背中全体を背もたれにしっかり預けることで、腰への負担が分散されます。
腰がつらくなりやすいNGサイン(簡易診断)
以下のチェックリストで、自分の座り方に問題がないか確認してみましょう。1つでも当てはまれば、調整で改善できる余地があります。
- □ 足裏が床につかない/つま先立ちになる
- □ 座っているうちにお尻が前にズレる(前滑り)
- □ 背もたれに背中を付けると腰が痛い、または逆に浮く
- □ 肘の置き場がなく肩がすくむ
- □ 1時間以内に腰が重くなる
これらのサインが出ているなら、椅子の調整を見直すタイミングです。次の章で紹介する「調整の順番」を実践することで、座り心地が大きく変わる可能性があります。
これだけで変わる|ゲーミングチェア調整の順番(全体像)
ゲーミングチェアの調整は、正しい順番で進めることが重要です。以下の順番で調整することで、各ステップが次の調整をやりやすくする土台になります。
- 座面の高さ
- 座面の奥行き(または座る位置の最適化)
- ランバーサポート(腰当て)
- 背もたれ角度(プレイ用)
- アームレスト(肘置き)
- ヘッドレスト(必要な人のみ)
- ロッキング/リクライニング硬さ(”少し動ける”設定)
この順番を守ることで、調整がバラバラにならず、体に合った状態を再現しやすくなります。それでは各ステップを詳しく見ていきましょう。
ステップ解説|調整の目安と、合ってないときのサイン
ここからは、各調整項目について「目安→やり方→合ってないサイン→微調整」の順で解説します。焦らず1つずつ確認していきましょう。
STEP1:座面の高さ:足裏ベタ付きが最優先
最初に調整するのは座面の高さです。ここが決まらないと、他のすべての調整が意味を失います。
目安は、座ったときに足裏全体が床にしっかり接地し、膝がだいたい90度前後になる高さです。太もも裏が座面に圧迫されすぎず、少しゆとりがある状態が理想的です。
合ってないサインは以下の通りです。
座面が高すぎる場合、足が浮いてしまい、体重を支えるポイントが不安定になります。その結果、骨盤が後ろに倒れやすく、腰が丸まりやすくなります。
座面が低すぎる場合、膝が上がりすぎて骨盤が寝た状態になり、太ももが圧迫されて詰まる感じがします。
代替策として、身長が低めで足が床に届かない場合は、フットレスト(足置き台)を前提に座面高を調整しましょう。無理に座面を下げすぎると膝が窮屈になるため、足元の環境を整える方が現実的です。
STEP2:座面の奥行き:膝裏に指2〜3本の余裕
次に座面の奥行きを調整します。深く座った状態で、膝裏と座面の先端の間に指が2〜3本入るくらいのすき間があるのが目安です。
合ってないサインは次の通りです。
奥行きが長すぎると、背もたれに背中を付けようとしても届かず、猫背になりやすくなります。膝裏が座面に当たりすぎると、血流が圧迫されて足がしびれることもあります。
奥行きが短すぎると、太ももが十分に支えられず、体重が腰に集中して疲れやすくなります。
奥行き調整がない場合の現実解として、クッションを背中に入れて浅く座る方法がありますが、これは骨盤が不安定になり、背もたれに体を預けられなくなるため推奨しません。奥行きが合わない場合は、ランバーサポートの位置や座り方で微調整するか、調整幅の広いモデルへの買い替えを検討する方が効果的です。
STEP3:ランバーサポート:腰のくびれに”軽く当たる”
ランバーサポートは、腰の自然なカーブを支える重要なパーツです。位置の目安は、骨盤の少し上、腰のくびれが始まるあたりです。「軽く当たる」程度の圧が理想で、押しすぎないように注意しましょう。
合ってないサインは以下の通りです。
圧が強すぎると、反り腰がきつくなり、かえって腰に違和感が出ることがあります。腰を前に押されている感覚が強い場合は、圧を弱めるか位置を変えましょう。
圧が弱すぎると、腰が背もたれから浮いた状態になり、腰の筋肉が常に緊張します。背中を預けても腰だけ空間ができている感覚があれば、圧を強めるか位置を調整します。
微調整の順番は、まず高さを調整し、次に前後の出っ張り具合(調整できる場合)を変えます。それでもしっくりこない場合は、座面の奥行きが合っていない可能性があるため、STEP2に戻って確認してください。
STEP4:背もたれ角度:プレイ中は軽い後傾が基本
作業やプレイ中の背もたれ角度は、完全に垂直ではなく、軽く後ろに倒した状態が基本です。目安は100〜110度程度ですが、これはあくまで基準であり、体感を優先して調整してください。
合ってないサインは次の通りです。
背もたれが直立しすぎると、背中が固まりやすく、長時間座ると腰が疲れます。
背もたれを倒しすぎると、画面を見るために自然と前のめりになり、結果的に背もたれから体が離れてしまいます。
プレイ姿勢と休憩姿勢は分けることを意識しましょう。プレイ中は軽い後傾、休憩時はもっと倒してリラックスする、という使い分けが理想的です。
STEP5:アームレスト:肘を置いて肩が上がらない高さ
アームレストの高さは、肘を90度前後に曲げたときに、自然に肘が置ける位置が目安です。肘を置いたときに肩の力が抜け、手首が無理なく動かせる高さに調整しましょう。
合ってないサインは以下の通りです。
肘掛けが高すぎると、肩がすくんで緊張します。長時間この状態が続くと、肩こりから腰の緊張にもつながります。
肘掛けが低すぎると、肘を置こうとして前のめりになり、肩が落ちて猫背になりやすくなります。
机と干渉する場合の対処法として、アームレストを下げる、前後に動かす(調整できる場合)、机の高さを見直す、座面の高さを再調整する、などの方法があります。どうしても干渉する場合は、デスク環境全体を見直す必要があります。
キーボード・マウスでプレイする人は、デスクに肘を置くか、アームレストに軽く乗せる程度の高さが快適です。コントローラーでプレイする人は、アームレストを少し後ろに引いた位置に設定すると、腕を自由に動かしながらも肘を軽く預けられます。
STEP6:ヘッドレスト:プレイ中必須ではない(合う人だけ)
ヘッドレストは、プレイ中に必ずしも必要ではありません。集中しているときは使わない人も多いです。
目安は、首を前に押さず、後頭部から首を優しく支える位置です。休憩時に体を後ろに預けたときに、首がちょうどいい角度で支えられる位置に調整しましょう。
合ってないサインとして、顎が出る、首が詰まる感覚がある場合は、位置が合っていません。無理に使う必要はなく、違和感がある場合は外してしまっても問題ありません。
使い所は、休憩時やリクライニングを倒したときの回復用と考えると良いでしょう。
STEP7:ロッキング/リクライニング硬さ:少し動ける設定に
最後に、ロッキング機能(背もたれが揺れる機能)の硬さを調整します。背中を預けたときに「わずかに」動ける程度のテンションに設定するのがおすすめです。
合ってないサインは次の通りです。
硬さが強すぎて完全に固定されると、同じ姿勢が続いて疲れやすくなります。人間の体は微妙に動くことで負担を分散させているため、完全固定は逆効果になることがあります。
硬さが弱すぎると、少し体重をかけるだけで大きく揺れてしまい、体を支えるために腰に力が入り続けます。
集中する場面では固定もOKです。激しいバトルシーンや精密な操作が必要なときは、ロックをかけて体を安定させましょう。シーンに応じて使い分けることが大切です。
座り方の最終調整|「深く座る」ための3ポイント
ここまでの調整が終わったら、実際の座り方を確認します。正しく調整できていても、座り方が崩れていれば効果は半減します。
お尻を背もたれ側まで入れる(前滑り防止)
座面の奥までお尻を入れて、背もたれに体全体を預けるのが基本です。浅く座ると骨盤が後ろに倒れやすく、前滑りの原因になります。
肘を預けて肩を下げる(腰の緊張を抜く)
肘をアームレストやデスクに置き、肩の力を意識的に抜きましょう。肩が下がることで背中の緊張が和らぎ、腰への負担も軽減されます。
足裏接地が崩れるなら、最初のSTEP1へ戻る(ループ設計)
深く座ったときに足裏が浮いてしまう場合は、座面の高さが合っていません。STEP1に戻って座面高を調整し直しましょう。調整は一度で完璧にならないこともあります。何度か微調整を繰り返すことで、自分に合った状態が見つかります。
椅子だけでは限界がある|腰がラクになるデスク環境チェック
ゲーミングチェアをどれだけ完璧に調整しても、デスク環境が合っていなければ腰の負担は減りません。椅子以外で見直すべきポイントを確認しましょう。
モニターが低い/遠い → 前のめりになりやすい
モニターが低すぎると、視線を下げるために自然と前のめりになります。画面の上端が目線と同じか、少し下にくる高さが目安です。距離は腕を伸ばして画面に届くかどうかを基準にしましょう。近すぎても遠すぎても、姿勢が崩れる原因になります。
デスク高さが合わない → 肘掛けが機能しない
デスクの高さが合っていないと、アームレストがデスクに当たる、肘を置く場所がない、肩がすくむ、などの問題が起きます。座った状態で肘を90度に曲げたときに、自然にデスクの天板に手が届く高さが目安です。
高さ調整できないデスクの場合は、椅子の座面高を基準に、アームレストやフットレストで微調整する方法が現実的です。
足置きで「高さ問題」を解決できるケース
身長が低めで足裏が床につかない場合、フットレストを使うことで劇的に座り心地が改善します。足裏接地ができないと、どれだけ椅子を調整しても骨盤が安定しません。段ボールや厚めの本でも代用できるため、まずは試してみることをおすすめします。
調整しても腰がつらいとき(買い替え/見直しの判断)
調整を見直しても腰の違和感が減らない場合、椅子の仕様そのものが体に合っていない可能性があります。
体格に対して座面高の下限が合わず、足が浮いてしまう場合、フットレストを使っても解決しないことがあります。この場合は、座面高の調整幅が広いモデルを検討する必要があります。
座面の奥行きが合わず、背中を背もたれに預けられない場合、奥行き調整機能があるモデルに替えることで快適さが変わります。
肘掛けの調整範囲が足りず、肩が常に緊張する場合も、調整項目の多いモデルを選ぶことで改善する可能性があります。
なお、調整しても痛みが強い、足のしびれがある、日常生活に支障が出ているといった場合は、整形外科などの医療機関を受診することをおすすめします。椅子の調整は負担を軽減する手段であり、痛みの根本治療ではありません。
ゲーミングチェアを一覧で比較する
調整しても「座面の高さや奥行きが合わない」「肘掛けが足りない」など”仕様の限界”を感じる場合は、調整幅の広いモデルを選ぶのが近道です。候補をまとめて比較したい方は、ゲーミングチェア|長時間プレイでも快適な高機能チェア|Aerlix からチェックしてみてください。
特に身長が極端に高い・低い、体格が標準と大きく異なる場合は、調整項目の多さやクッションの硬さなど、椅子そのものの仕様が重要になります。自分の体に合った選択肢を比較検討することで、長時間のプレイや作業がぐっとラクになる可能性があります。
まとめ
腰への負担を軽減するには、「順番どおりの調整」を守ることが再現性を高めるカギです。最も重要なのは座面高(足裏接地)、次に座面奥行き、ランバーサポート、アームレストの順です。
調整は一度で完璧にならないこともあります。何度か微調整を繰り返し、実際に座って確認することで、自分に合った状態が見つかります。
それでも違和感が残る場合は、椅子の仕様が体に合っていない可能性があります。調整幅のあるゲーミングチェアに替えることも、快適な環境を作るための有効な選択肢です。
